つきあかりキャンドルのサイトをご覧のみなさん、作品紹介カテゴリーの木彫りの熊キャンドルの記事はお読みいただけましたか?
木彫りの熊キャンドルは、乙部町で採取さミツロウを使用して制作されています(くわしくは下の木彫りの熊キャンドルの記事をご覧ください↓)
ミツロウってなんだろう?と思った、そこのあなた!
じつはミツロウって化粧品から医療用途まで、姿かたちを変えてわたしたちの生活に役立ってくれているんですよ。
今回はミツバチからの贈り物、ミツロウの用途について紹介します。
これを読んだら、きっとミツロウのさまざまな使い方を試してみたくなるかも!?

ミツロウってな~んだ?

ミツロウという名前を、はじめて耳にする方も多いのでは?
木彫りの熊キャンドルの記事を読んで、ミツバチに関係あるものだと想像はついたものの…?
ミツロウは、ミツバチの巣の材料。
ミツバチの腹部には蝋分泌腺という器官があり、透明なロウを出して巣を構成していきます。
最初は透明だったロウも、巣が使われていくうちに花粉やプロポリス、幼虫の繭などが付着して独特の色合いに変化していきます。
ミツバチが巣に持ち込んだ花粉の色素によって、ミツロウの色も変わってくるそうです。
ミツバチの巣のふしぎ
ミツバチの巣を見たことはありますか?

刺されると危ないので間近で見たことがない方がほとんどかと思いますが、上の画像のように六角形がすき間なく並んだ形をしています。
この形をハニカム構造といい、衝撃吸収性に優れています。
身近なところでは、サッカーゴールのネットにもハニカム構造が採用されています。
養蜂する場合、巣礎と呼ばれるミツバチの巣の基礎になる板を使います。
巣礎はロウで作られていて、棲み着いたミツバチは巣礎にミツロウを盛って巣を作っていきます。

こんなものにミツロウが使われている!
今も昔も、ミツロウはわたしたちの生活を支えてくれています。
つぎからは、ミツロウがどんなものに使われているのか紹介します。

化粧品
ミツロウには保湿効果があり、さらに食用として用いられる(後述)ので、リップクリームや口紅などの原料として使われています。
ミツロウと好みの植物オイル(おすすめはホホバオイル)を耐熱容器に入れ、湯煎で溶かします。
溶けたらよく混ぜて、ジャー容器やリップケースに入れて冷やし固めると、ミツロウクリームの完成。
植物オイルを少なめにすれば、リップクリーム向きの固めのテクスチャーに。
オイル多めなら、ハンド&ボディ用にピッタリのスルスル伸びやすいクリームになります。
【ミツロウ リップクリーム】というキーワードで検索すれば数多くのレシピがヒットするので、自分だけのミツロウとオイルの黄金比率を研究するのもよいでしょう。
食用
食用のミツロウ、コムハニーというものがあります。
見た目はミツバチの巣そのもの、栄養価も高く味も濃いめ。
アツアツのトーストにのせれば、トロリとろけて濃厚な味わいなんだとか。
大規模なスーパーなどで販売されているので、見つけたら試してみてはいかがでしょうか?
※つきあかりキャンドルのミツロウキャンドルは、決して食べないでくださいね!

ミツロウラップ
洗ってくり返し使える、ミツロウラップというものがあります。
布にミツロウを染み込ませて作られたもので、手で温めてから使います。
温められて柔らかくなったミツロウラップは、食材や食器をピッタリ包んでくれます。
程よく通気性があり、ミツロウの保湿性と抗菌性のおかげで食材が長持ちするそうです。
プラスチックごみを減らせるのもうれしいですね。
温め過ぎるとミツロウが溶けてしまうので、熱湯で洗ったり電子レンジで加熱するのは避けましょう。
また、生肉・生魚、酸が強い食材を包むのも適していないので気をつけてくださいね。
シーリングワックス(封蝋)
手紙に封をするとき、容器を密封するとき、立体的なシールのようなもので封をされているのを見たことはありませんか?
ハンドメイド用の素材屋さんなどでも見かける、シーリングワックス(封蝋)。
昔はミツロウが使われていたそうです。

クレヨン
子どもたちの想像力をかたちにするために欠かせないアイテム、クレヨン。
市販されているクレヨンの大半は、ロウと顔料を原料に使用しています。
名古屋の東一文具さんやドイツのシュトックマー社では、ミツロウと食品用着色料を使用したクレヨンを製造しています。
発色が良い・透明感がある、といった特徴があり、ミツロウの甘い香りがほのかに漂います。

医療用医薬品
医療の分野では、サラシミツロウという名前で軟膏基剤として使われています。
さらに、整形外科手術などを行った際に切除した骨の断端に詰める、といった利用方法もあるそうです。
おわりに
ミツロウにこれほどの用途があったと知ったら、何だか身近に感じてしまいますね。
しかし、わたしたちの行いによって生態系を狂わせてしまえば、ミツバチからの恩恵を受けることは叶わなくなってしまいます。
ひとりひとりが、環境を守ることを意識した生活を。
ミツバチのために、次の世代のために、自然を維持することを心がければ、ミツバチはわたしたちに贈り物を与えてくれることでしょう。
文:渡辺リリオ